小説

『ぽんぽこ、ぽんぽこ』多田正太郎(『童謡・証城寺の狸囃子』『松山騒動八百八狸物語』など)

だから、言葉だ!

言葉?

力を合わせ、危機に、立ち向かう。
肝心な時に、だ。
今、我々も直面してるだろ。
維新の時の、この国の民のように。
互いに、言葉、通じない。
そんな事態に、だ!
試しにな、聞いてみろ、や。

これは危機だ!
が。
こら危機や!
こいは危機だ!

こんな調子だ。
だが、これぐらいなら、な。
何とかなる。

そうしよう!
が。
んださ!
そないしよけ!
そーしちゃう!
じゃあしごっ!

だぞ。
これで、合意なのか。
分かるか。

無理だよ。

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