小説

『ぽんぽこ、ぽんぽこ』多田正太郎(『童謡・証城寺の狸囃子』『松山騒動八百八狸物語』など)

気付いたのよ、一部の人間が、な。
忍び寄る、様々な危機。
その危機を、だ、乗り切るために。
我々が、手本となる、とな。

へー、我々が、手本に、ですかー。

環境異変とかよ、様々な原因で。
地下が、な、人間の生存域に、な。
そうよ、我々狸の、領域よ。
我々狸族は、な。
化ける、この奥の手、切り札に、な。
そこでの、熾烈な戦いに、備えるのよ。
その時の、な。

いかがですか?
こんな感じで。
ご指示の、ありました。
啓発映画、「狸の惑星」。
創世記の出足。
こんなところで、どうでしょうか?
大狸様。

「狸の惑星」での、啓発。
大成功だった。
大狸様の、再来。
そして、大予見。
勿論、人間たちは。
知る由もない。

ぽんぽこ、ぽんぽこ。
神通力腹鼓、が。
ぽんぽこ、ぽんぽこ、・・・。
日々、なり響く。

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