小説

『ぽんぽこ、ぽんぽこ』多田正太郎(『童謡・証城寺の狸囃子』『松山騒動八百八狸物語』など)

ハハハハハ。
それがな、当たり前だ。
言い伝えでは、今に至るまでな。
みーんな、みーんな、死んだ。
そう、なってるから、な。

そうさ。
亡くなって、いなかった、なんて。
たれもさ、思ってないよ。

ハハハハハ。
そうだろ、仲間も、な。
化かしたんだからな。

えー、どうしてさ?
あれ? ちょっと待ってよ!
ならさ、何で、知ってるんだよ?
みんな知らない事をさ。

ハハハハ。
気付いたな。
簡単だ、ここにいるからだ。
その、大狸様が、な。

えーっ! 
じゃー、じゃー。
あなたが。
あの、あの、伝説の偉大な。
大狸様?

そうだ。

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