小説

『ぽんぽこ、ぽんぽこ』多田正太郎(『童謡・証城寺の狸囃子』『松山騒動八百八狸物語』など)

へー、これは、なんという、失礼を。
知らぬこととはいえ。
本当に、失礼いたしました。
お許しください。
ああ、どうしよう・・・。

ハハハハ。
そんなに、そんなに、な。
詫びる必要なんか、ないぞ。
絶対に、そう、絶対に、な。
知られないように。
してきたんだから。
必要となるまでは、な。
真実を、封印し。
そう、必要とする。
その時が、来るまでは、な!

必要とする。
その、時が、来るまで、ですか?

ああ、それが、今だ!
標準語は。
後日の、こととしてな。
それがなくても、な。
仲間同士。
考えが、な、通じ合う方法を、な。
そして、解読が、絶対に不可能な
暗号を。

考えが、通じ合う方法?
そして、解読不可能な、暗号?

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