小説

『新生アリス計画』ちまき(『不思議の国のアリス』)

『不思議の国のアリス』を知っている?
 1865年、イギリスのルイス・キャロルが書いた児童小説。
 幼い少女アリスが白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込み、しゃべる動物や動くトランプなどさまざまなキャラクターたちと出会いながらその世界を冒険するお話(フリー百科事典Wikipediaより抜粋)
 本文はその『不思議の国のアリス』について、あれやこれや言っちゃうお話。知らない人は読んできて、改めておいで。
 と言う訳で、さっそく始めよう。
 読み終わった本を持ち直して、1ページ目から再び物語を始めるように、『不思議の国のアリス』開演…

◆ ◆ ◆

 昔ある所に、アリスという名の素敵な少女がおりました。
 アリスが川辺に立つ大きな木の下で本を読んでいると、なんとも不思議、懐中時計を持った白ウサギが何やら慌てた様子で走ってきたではありませんか。
 アリスはその白ウサギを追いかけ…
「…」
 追いかけ…
「…」
 追いかけ…ずに、そのまま本を読み続けたのでした。
 めでたし、めでたし。

◆ ◆ ◆

 て、あれ?
「ちょっ、私を追いかけてきてくれないと、話が進まないのですが…」
 さっきまで慌てて走っていたはずの白ウサギが戻ってきた。
 本を読みふけって全く動かないアリスに、困った様子で話しかける。その言い分はごもっとも。白ウサギを追いかける所から物語は始まるわけで、アリスが追いかけてくれなくては進まないどころか、現状始まってすらない。

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