自分の死を、納得していたのか?
寝付く前の、わずかな時間。
なんの脈絡もない。
ジャックの父親の死。
それが、どんな、どんな、どんな・・・。
と、理由もなく、引っかかったのだ。
童話だろ。
お前、バカか・・・。
記憶に残っているのは、このあたりまでだ。
目を覚ましたら、ピッタリ正午だった。
尿意がなかったら、まだ眠り続けていた。
まだ、眠りたい。
と、男は思った。
もやもやしつつ、パソコンを立ち上げた。
「遠い昔、スコットランドの屈強な男達は、自ら兵士という名の輸出品となったんです。
この男達と、バグパイプは、切り離せない、繋がりがあるのです。
戦意高揚で、先頭に立って演奏するパイパーは、武器をもてません。
最初の標的となり、消えていく。
次々と。それは大変な名誉だったんです。
家族に、食べ物を、もたらすためにとる、男の、最高の行動だったのです」
バグパイプにまつわる、厳し歴史。
気付くと、DVDを見入っていた。
こんな、言い伝えは、まだましだ。
語られる、中身が、あるのだから。
家族を、守ったという。
自分の死と、引き換えにだ。
食い、食わせた。
それが、哀れな死で、あっても、だ。
物語を、語れたのだ。