(ああ、確かに私、平気なふりをしていたけれど、私は愛されてるって自分に言い聞かせてたけど、誰かに「可哀想だね」って言われる度にちょっとずつ傷ついてたんだ。それで心の底では他の子に比べて自分は愛されない、もっと愛されたいなんて思ってた。)
私は何も言えず涙をこぼした。
ピーターは私を気遣うように優しく言う。
「でも、もう分かったでしょ?ウェンディはちゃんとみんなに愛されてるって。」
「うん…うん!」
私は泣きながら何度も何度も頷く。ピーターは私を抱きしめて、頭を撫でてくれた。しばらくそうしていて、私が泣き止むと、ピーターは近くにあった花を1本綺麗に抜き取った。
「これをウェンディの花にしよう。そしたら、僕はこの花を見る度にウェンディの事を思い出せる。僕はウェンディのこと、絶対に忘れないよ。」
ピーターは私を真っ直ぐに見つめる。そして、私の手にそっと花をのせた。
「あっ、ねぇ!花言葉を作ろうよ!ウェンディはどんなのがいい?」
私は涙を拭いて答える。
「『2人の思い出』なんてどうかな?」
「あはは。いいね、それ。花言葉だからもう少しあってもいいよね。ウェンディはこの花を見てて家族のことを思い出したんだよね…『暖かな記憶』はどう?」
「うん、すごくいいと思う。」
「あとは…ウェンディが帰るってことはウェンディの悩みが無くなったってことで…うん!これしかないかな。」
「どういうの?」
「ねぇ、ウェンディ。その前に一ついいかな?」
「うん。どうしたの?」
「僕達友達だよね?」
ピーターが心配そうに尋ねるのが可笑しくて、私は笑いながら答えた。