小説

『さがしもの』そらこい(『天の羽衣』)

 あれから数日が経った放課後。
 帰りの挨拶を終え、みんなが帰り支度をしながら放課後なにして遊ぶのかと話をしているなか、
「…………はぁ」
 海斗はある一点を見つめたまま、大きくため息を吐いた。
 その視線の先にいるのは羽衣だった。
 探し物をしている間、毎日彼女の方から話しかけてきていたのに、今ではすっかり元のたまに話す程度の距離に戻っている。
 もしも僕が見つけた次の日にストラップを返していたら、今とは違った未来があったかもしれない。と、考えてしまう。
 未だに海斗のランドセルの中には羽衣のストラップが入っている。
 返すことも捨てることも出来ず、ただのストラップなのに海斗にとって精神的な重荷となっていた。

 海斗は久しぶりに公園を通るルートで帰宅することにした。
 あの日以来、公園を見るのが辛くて避けるようにしていたが、遠回りするのが面倒くさくなってきていたのだ。
 近くに差し掛かっても声が聞こえないことから、きっと無人なのだろうと思っていたが、
「……あれ?」

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