「さんまは目黒に限るっ!」で笑い者になったお殿様 赤井御門守。ご家老は気を揉み、これ以上噂が広がらないようにと、その場にいた人たちに約束をとりつけて回るのだが、町ではそこかしこから…
学校のトイレの三番目にいる国民的お化け『トイレの花子さん』。実は、四番目にもお化けがいる。その名も桜子さん。花子さんの人気を羨み、なんとか自分も子供達を脅かそうとする桜子さんが奮闘する。
呂端は、長年勤めた会社を早期退職し、心機一転、第二の人生をスタートさせることにした。家と車を売り払い、家族とも別れ、音楽活動するために繁座に向かう。道中で、犬川、猫柳、鳥山と意気投合し…
貧しく暮らす沙織の前に突然現れた、赤いとんがり帽子をかぶったスーツ姿の青年 ルンペル。彼は沙織が困るたびに出現し、不思議な力で、あるときはラーメンを出し、あるときは毛糸を金に変えた。
隣同士に暮らす与兵衛と八兵衛は、ほっぺにあるこぶが悩み。ある日、八兵衛は、森の中で踊る鬼たちの輪に加わり、こぶをとってもらうことに成功する。翌日、与兵衛は鬼たちの元に向かうが、その裏ではある計画が…
“私”が働く五反田駅のキオスクで毎日買い物をする「うっそり、日経、コーヒー、支払いはスイカ」の男。ある日、“私”にその場で買った香典袋と現金三万円を手渡し、これを持って両親のお通夜に出席して欲しいと言う。
王子を乗せた船が難破した。使用人の“俺”も波に飲まれてしまう。ところが、一人の犠牲者も出ず全員助かった。濡れた“俺”のシャツに付いた、虹色に光る魚の鱗のようなもの。その後、“俺”は海岸である少女に出会う。
ああ、生贄を見つけた。その時、遥香は、頭のてっぺんから爪先までつきぬけるような「やった!」という気持ちで心からの笑顔になる。今度の標的は、学校の中庭で出会った三年生の男子。徹底的にダメージを与えてやる。
人気小説家、水沢桜のもとに届いた二通のファンレター。どうやらこの読者は、自分が作品の主人公のモデルであると勘違いしているらしい。こういった手合いは一定数いるのだが、彼は、もっと大きな間違いを犯していた。