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『街を見下ろす屋上で』柿沼雅美

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「まじかー、じゃあ3で!」
 私が言うと、里美も、じゃあ3で!と3本指を立てた。
「じゃあ3でーーーー! ってサークルの居酒屋かよっ!」
 みちるがツッコんでゲラゲラ笑う。
「ありえないでしょー? なぁーにがじゃあ3でだよっ。しかもね、それだけじゃないのまだあるの」
 まだあるの? とみちるが涙をぬぐいながら言う。
「あるのあるの。ねぇ駅まで送るよ問題どう思う?」
「駅まで送るよ問題? あー、最初のほうのデートなら言ってほしいかなぁ」
 里美が言うと、そうだよねぇと満場一致で頷いた。
「だよねー、聞いて聞いて、それで、東急の駅まで行ったの」
「あ、東急のほうなんだ」
「うん、なんか出張で沿線のホテルに会社がいつも泊まるようにしてるみたいで」
「なるほどねー」
「でね、東急の改札の前で、じゃ!って言って帰って行ったよ」
「えー!そんなあっさり!」
「言ったの、私東急の蒲田なんだよねって言ったの! けっこう歩くけど、なんだったらどっかで乗り換えてもいいって思ってたのに、どうする?とか送ろうかとかもなくて、じゃ!って」
「うわー、なんかキツい感じ」
「だよねー。どういうつもりだったんだろう?」
「理香のこと気に入らなくてすぐ帰りたかったとか?」
「えーそんなことないんじゃない? 理香何かした?」
「してないよー。逆に言うと、決定的に何かあったほうが分かりやすい」
「だねー。タイプじゃないとか?」
「それはないでしょ? 婚活パーティーで自分から申し込んで来た人なんだから」
「だよね、謎だね」
「そうなんだよ、マジ謎」
 理香はため息を一回ついてから、なんなんだよもうっ!とグッとアイスティーを飲み干した。
「ねーそんなんじゃ理香婚活やめたら?」
「や、絶対やめない」
「ってか、みんなで行こうよー、そしたら色んな話リアルタイムでできるし、パーティーのあとにああだったこうだったって言い合うの絶対楽しいと思うけどなー、ねーそれ楽しみにみんなで行こうよー」
 何メインで行くんだよ、とみんなでツッコんで笑う。
「明日蒲田いるのになんか思い出しちゃいそうだなぁー」
 私が言うと、え、なんで? と里美がコップに口を付けながら私を見る。

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