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『きっずハンド』黒藪千代

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 立ち上がった俺を見上げる幸太郎にやる気の満ちた笑顔が戻った。

 それから数時間、西の空が茜色に染まった頃、幸太郎と貴一くんは悠々と補助なしの自転車を乗りこなしていた。俺と拓也はお揃いの擦り傷を幾つも作って子供達の姿を眺め、どちらからともなく満足げに微笑んだ。

 達成感に満ちた一日を思いながら、皆で商店街へと帰る道で幸太郎が不意に俺の手を掴んだ。
「どうした?」
「パパ、この絆!凄いね。僕これがあったから自転車乗れたんだよね!だってこれは僕とパパを繋いでるんでしょ。だから僕、パパの手が後ろから離れても怖くなかったんだよ!貴一くんもきっとそうだよ!」
 後ろを歩いていた拓也親子を振り返った幸太郎は、高々と自分の右手を持ち上げて黄色いシールが貼られた腕時計を俺に見せた。拓也親子の腕時計にもシールが貼られ、二人は幸太郎の声に答えるようにニンマリと笑っていた。
「おぅ、男同士の絆だ!」父の声がして振り向くとそこにもシールが。
(きっずハンド)山下の作ったアプリは、以外な所で効果を発揮していた。
 久しぶりにこみ上げる熱い気持ちが俺は何だか物凄く心地よかった。
 明日、山下に特大のおにぎりをご馳走しよう。

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