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『目覚ましが鳴らなくて』米田竜馬

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「お前か!!こんなイタズラしたの!!」

大学生の男が私に近づいてきて言う。怒られる、、、と思った瞬間、

「面白いな!!これ何?お前 1 人?」
「マネキンの頭です。ごめんなさい」

怒られなかったことにホッとしたと同時に、砂浜でビールを片手に大笑いしている父を指さす。


指をさされたことに気づいた父が両手を挙げて手招きしている。全員で父のいる方に来いってことのようだ。
私は大学生達と一緒に、父の元に集まった。

「ビックリした!?」嬉しそうに父が聞く。
「そりゃー、ビックリしましたよ!」
「いきなり生首が出てくるんですよ!」
「息が止まるかと思いました」

大学生たちが口々に感想を言うのを聞き、父は満足そうだ。

「ビックリさせられただけじゃ終われないだろう。今度はビックリさせる番にならない?」

という父の一言で、オヤジと女子中学生と大学生 6 人で浜辺のイタズラ隊が結成された。

浜辺でも人目につきそうなところで、寝る人 2 人と砂を盛る人に分かれた。砂の表面は焼けるほど暑いが、ちょっと掘れば割と冷んやりしている。寝る人は砂浜に仰向けで寝て、頭部以外に砂を盛られる。砂をどんどん盛られると重くて身動きが取れなくなるらしい。

「えー、体が動かない!」
「マジ!?もっと盛ってみよう」
「ちょっと、もうやめてよ〜」
「ダメダメ、今動いたら崩れちゃうよ」

などと、大盛り上がり。周囲の人の視線を感じる。
寝ている2 人の横に、同じように人に砂を盛ったようなカタチの砂山をつくり、マネキンの頭を置く父。
まるで 3 人寝ていて、砂を盛られているようだ。


砂をこんもり盛り終えた後、砂を盛る人たちは少し離れる。砂を盛られ横になっている 2 人は身動きが取れない。

「ちょっと、何とかしてよ!!」
「おーい、助けて〜、動けないよ!!」

などと、大声で騒ぐ 2 人。
もちろん、父のシナリオ通りだ。

しばらく騒ぎ、周囲の人がこちらに興味を持ったところで、1 人の大学生が

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