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『ホッピー会~出会いに必要なもの、それはホッピーである~』小林加苗

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「うぇ。最悪。既婚者なら指輪しとけよって話だよ。まぎらわしい。まぁじゃあ和那が潰れてよかったってことだ」
 ぐぅぐぅとのんきに寝息を立てている和那を横目に、二人でクスクスと笑う。焼酎が全身に隈なく回り、ふわふわと気持ちの良い感覚だった。
「んじゃ、帰りますか」

第1回ホッピー会@新橋 馬並み家
飲んだホッピー数 不明
ゲットした男性 なし
お会計 5,000円(男性と合流する前までの分)
負傷者 和那

【ラウンド2】中目黒・えら呼吸
「今日は絶対につぶれないぞー!!」
 ビールで乾杯をしながら和那が声高に宣誓する。今日の戦場は中目黒。企業がある街ではないが、都内で働く比較的リッチ層の独身サラリーマンが住む街だ。スケジュールの都合上、開催日が土曜日になってしまったため、オフのエリートサラリーマンを狙う作戦で場所を決めた。
「わたしさぁ、たぶん甲類の焼酎って苦手なんだと思う」
 和那はあの潰れた翌日、一日中酷い二日酔いで苦しみ続けた。
「わたし第二酵素が強いから、だいたいのお酒ってすぐ分解できるんだけど。あの日は全然回復できなくてさぁ。生まれて初めて二日酔いで会社休んじゃったよ……ってかごめんね、つぶれちゃって。反省してます」
「あはは。全然だよ!全然おしくない相手だったしね。それにしても和那リサーチの正確性にはびっくりしたよ。ホッピー飲んでいると本当に声かけられるもんなんだね」
「ねー、正直信じてなかった。ごめん。でも和那、甲類の焼酎苦手だったらもうホッピー飲めないんじゃない?」
「そうなんだよね……そこが問題なんだよ」
「ホッピーなか、甲類焼酎以外でもおいしいですよ!」
 顔を上げると、お通しをもってきた若い店員の男と目があった。
「そうなの?」
「はい!梅酒やズブロッカ、泡盛やそば焼酎なんかで割ってもいけます。自分ホッピー大好きなんで、いろいろ試してみていて。意外なものがマッチしたりするんで試してみるの楽しいです」
 店員の男は笑うと猫のように目が細くなった。バンダナからはみ出した茶色の髪がさらさらと揺れる。細身だが、しっかりとした筋肉が付いているのがTシャツ越しにもわかった。
「へぇ。じゃあわたしホッピーなかを梅酒でお願いしてみようかな」
 和那の少し高めの上ずった声に、二人はびっくりしたように顔を見合わせた。
「かしこまりました!お連れ様も何かお持ちしますか?」
「えっと……じゃあわたし達はホッピー黒セット2つで」
「ありがとうございます!ではお持ちしますね!」

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