「は、はぁ~」と先ほどから、冴えない返事しかできない自分に腹が立つ。
そして、私は、ひらめいた!
私は、その場に立ち止まり、「もしかして、チョコマフィン!?」と、また、素っ頓狂で、大きな声で言う。
美玲さんは、驚き、立ち止まり「チョコマフィン?」
「そう!チョコマフィンとブルベーリーマフィンがあったら、どちらを選ぶかしら?」
美玲さんが遠慮ぎみに「チョコマフィン…」
「そうよね~やっぱりね~」と私は、確信した。
「あの…」と不安な表情の美玲さん。
「あ、違っていたらごめんなさい。この間、航が、放課後食べるって、チョコマフィンとブルーベリーマフィンを持って行ったのね。航は、チョコは嫌いなのに、おかしいなって、思ったのね。美玲さんの分だったのかな~って」
美玲さんは、また、笑顔になり「お礼が遅くなりましたが、ごちそうさまでした。あのチョコマフィン、すっごく美味しかったです」
「やっぱり、そうだったのね」
「航君のお母さん、本当に、お料理がお上手なんですね!」
「ありがとう。作るのが好きなのと、節約を兼ねてね。だから、何でも、手作りしちゃうのよね」
「素敵です!今度、お宅に伺ってもいいですか?私、お料理全くダメなんで、教えてください!」
「いつでもどうぞ」
「嬉しい!じゃあ、今週の日曜日に伺ってもいいですか!」
「いいですよ~」
「お母さん。ブログやってらっしゃいますよね?」
「ええ」
「お母さんは、お料理が上手で、キレイ付きで、そして、いつもご機嫌さんだって」
「航。そんな事、言ってんの?」
「航君、ハッキリとは言わないですけど、私、ブログを読んでそう感じました」
「それは、どうも」
「ブログを読んでいて航君のご家族ってすごく素敵だな~って思いました。だから、絶対に航君のお母さんやご家族に会ってみたいって。それに、航君を見ていたら、あ~この人は、家族にとても愛されているんだなって」
「そうね~」
「とても、うらやましいです」
「でも、どこのご家族も一緒じゃない。美玲さんのご両親だって、そうよ」
一瞬、美玲さんの表情が雲って「うちは…」
私は、美玲さんの寂しそうな様子に話題を変えるべく、
「自分の息子を褒めてもらって、嬉しいけど、美玲さんみたいな美人さんとうちの航が、その、なんていうかね」
「お母さん。私、航君の事、心から本当に好きなんです!私から、付き合って欲しいって、言ったんです」
「はぁ~。そ、そうなの」
「私との交際、認めて頂けますか?」