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『おはよう』長尾優作


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 駅に着くと近くにいたお姉さんに、手紙を見せて、「ふくしま」までの行き方を教えてもらった。お姉さんは親切に、切符売り場まで案内してくれて電車と新幹線の切符を買ってくれた。もちろん、お金は渡したよ。(お父さんのだけど)
「ねえ、ぼく。一人で新白河駅まで行くの?」
「うん!」
「そうなの……大丈夫?」
「だいじょうぶ!」
「んー、ちょっと駅員さんの所に一緒に行ってみない?」
「なんで?」
「ほら、何かあったら大変でしょ」
「良太ね、一人で行けるもん」
 お姉さんは、少し困っていた。
「あ、じゃあ……どこか遠くに行く時は、改札の駅員さんに買った切符を見せてから『自分の名前』と、『おウチの電話番号』を言ってから行くの、知ってる?」
「えっ、そうなの?」
「……ほ、ほら、忘れ物した時に困っちゃうでしょ?」
「ふーん。わかった」
 ぼくはお姉さんと別れ、改札の駅員さんに切符を見せて、名前と電話番号を教えてから、エスカレーターに乗った。さっきのお姉さんが駅員さんの所まで行って何か話してたけど気にしなかった。ホームに降りて「東京駅」行きの電車に乗った。

 東京駅に到着すると、近くにいたお爺さんに新幹線乗り場を聞いて、改札を通った。混雑するホームで待っている間、駅員さんに「しんしろ駅」まで二時間くらいあると教えてもらった。一人で新幹線に乗るのは初めてだから、なんだかワクワクする。
 ぼくは新幹線『やまびこ号』に飛び乗った。
「早くおばあちゃんに会いたいなー」
 プシューっと音が聞こえ、新幹線は出発した。レッツ・ゴー!

 プルルルル……
 デスクの上で携帯電話が震えている。私は一瞥し、キーボードを叩く手を止めて電話を取った。夫の雅志からである。
「も、もしもし智子か?」

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