小説

『続・雪女』小泉八雲(『雪女』)

 みの吉が目を覚ますと暖かい家に帰っていた。雪女とせつも山小屋で倒れていた猟師も家の中にいた。猟師はまだ眠っていた。みの吉は雪女とせつに事情を聞き出した。
 雪女はみの吉のお父を殺してしまいみの吉に寂しい思いをさせていた事を反省し、夏は涼しい山小屋へ通い山小屋の掃除、修理をして管理をしていた。冬は道に迷った猟師や旅人達の休憩所にしてもらおうと薪、少しの食糧を山小屋に蓄えていた。寒さ、吹雪に強い雪女にとって冬の山小屋の管理はなんてことない仕事だった。せつは雪女の遺伝子で寒さも吹雪にも強く時々雪女について山小屋の管理を手伝っていたのだ。みの吉は、「寒いのになぜ着物でいくのだ。あの夜を思い出して疑ってしまった。申し訳ない」と、雪女とせつに謝った。雪女とせつにとって雪の中はホームグラウンドで「着物は仕事のユニフォームで動きやすいのでどうしても着物を着てしまう。」と二人は笑って言っていた。みの吉は紛らわしいと思ったが人殺しをしていない事に安心した。
 そのうち眠っていた猟師が目を覚ました。ここ何年か道に迷って何度も山小屋を利用しているが今回の吹雪はひどく山小屋の場所さえもわからなくなって途中で倒れていたところ薪を拾いに出て山小屋付近で遭難している人がいないか見回りに来た雪女とせつに遭遇して助けてもらった。
 猟師は茂吉といい一山超えた人里から狩りにやってくる。何年か前は親父と兄と三人で狩りに来ていたが獲物はたんと捕れるがなんせ山が荒れることが多く寒さと吹雪で何度も道に迷うので懲りて親父と兄は違う山に行くようになったようだ。茂吉は一人で来るようになってから山小屋を見つけた。茂吉は道に迷い何度も命を落としそうになったがこの山小屋があるので来る。山小屋の事は親父にも兄にも内緒だ。そこにいるせつに一目惚れして恋をしてしまい夏も、冬も通ってくる。せつも茂吉を好きになり茂吉に会えることを楽しみにしていた。今回は思いがけずひどい遭難で命を落としそうになったので心配で離れられなくなって雪女とどうしようかと相談していたらみの吉がやってきたので家に連れてきた。みの吉のお父は茂作。お父の死んだ山小屋でお父と同じような名前のせつの好きな男に会った事になんだか喜んで良いのか複雑な気持ちだった。茂吉は温かいご飯をごちそうになり次の日家に帰った。それからも冬の間茂吉は何回もせつの家に来るようになりのちに二人は夫婦になった。みの吉と茂吉は狩りをして、雪女とせつは山小屋の管理をしてみんなで仲良く暮らしていた。

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