小説

『続・雪女』小泉八雲(『雪女』)

 せつに女の子が産まれ雪子と名付けた。雪子も雪女とせつに似て色は白くたいそう美人に育っていった。やはり遺伝子で寒さと雪に強く雪女とせつと山小屋に通った。もう雪子が大きくなるころには雪女は山小屋に登れなくなっていた。人殺しをしなくなった雪女はとてもいい人になったが人間からのエネルギーがもらえなくなり気力も体力ももう限界になり寝ている事が多くなった。みの吉はそんな雪女を心配しそばについて看病した。人間のエネルギーしか助かる方法はない事を雪女は隠していた。いくら看病しても雪女は元気にならずもうこの夏は乗り切れない体力だった。みの吉は雪女を愛している。どうにも助けてやりたいが方法がわからない。その夜みの吉はお父、茂作の夢を見た。お父が死んだ夜だった。雪女が茂作に息を吹きかけて茂作が凍りつき死んで、その後雪女は息を思いきり吸い込む。すると雪女は輝きメラメラとエネルギーを補充していた。みの吉はハッと目が覚め雪女のところに行き謝った。「俺ともう人殺しをしないと約束したからお前はもうエネルギーがないんだな。すまない。」雪女は「なぜそんなこと知っているの。私はもう充分幸せに暮らしました。一度出ていこうとした時にあなたに止められたおかげでここまで人の為にあなたの為に、家族の為に尽くすことができました。ありがとう」雪女はそう言うとみの吉の腕の中で息絶え絶えになり涙を流す。みの吉は「お前は山小屋を守りせつ、雪子を大事にしてくれ。俺のエネルギーを吸え、早く吸え、お前は生きろ、俺はお父と一緒に死ぬところだったがここまで生きた。子ども達に囲まれ、孫にも恵まれ本当に幸せな日々をお前のおかげで送ることができた。お前は死ぬな。俺の分まで生きてくれ。」そう言うとみの吉は雪女が息を吸うと同時に自分の口を当てエネルギーを吸われて死んだ。雪女は泣いて泣いてみの吉に息を吹きかけたがみの吉は逆に凍りついて生き返らなかった。
 雪女はみの吉にもらったエネルギーで元気になり、猟師の為、旅人の為、自分の家族の為に山小屋を守り一生懸命働いた。みの吉のエネルギーは強く雪女は長生きして人の為に尽くしたので、子どもたち、沢山の孫、沢山のひ孫、助けられた猟師、その家族、旅人たちに感謝されみんなに慕われてみんなに囲まれて山小屋で最後を迎え、みの吉のところに逝った。待っていたみの吉は雪女を褒めて誇らしく迎え来世も一緒に生きたいと願った。
 山小屋はその後も、せつ、雪子に守られて夏も冬も猟師や旅人で賑やかに営まれていった。

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