いつか姉の涙を全部洗い流したい。
そして私はぷくぷくと、私が泡になった場所に戻った。
姉の一人が、私のために、涙を浮かべながら祈りを捧げていた。
私はここにいるよ、とぶくぶくしてみたけれど、姉にはうまく伝わらなかった。精一杯ぶくぶくするけれど、やはり私の言葉は伝わらない。
本当は伝えたいことがたくさんあるのだ。私はもうぶくぶくすることしかできないけれど。
私は姉たちに幸せになってほしい。
私は姉たちのことをいつだって見守っている。
私を思ってお祈りをする姉のために、私もぶくぶくと祈った。
私は本当に幸せだった。
姉たちが、美しい髪と引き換えに魔女からナイフをもらってきて、王子を刺して私は生きろと言ってくれた時、私はみんなから本当に愛されていると思った。
愛されることの幸福を、私はちゃんと知っている。
私も姉たちのことを愛している。
私は今も寂しくなんてない。
姉たちが私を大切にし続けてくれているから。
私は今だって、とても幸せな泡だ。
だから、姉たちには、もう泣かないでほしい。