「これじゃあ自分がバカだろ。これじゃあ勝負になってない。品川は自分のフィールドじゃないからあんな余裕ぶっこいた発言をしたんだ。」
「・・・そう?」
「そうだよ!あいつのフィールドで勝負して勝たないと、真の勝利とは言えないだろ。」
「・・・どうすんの?」
「学力で勝負するに決まってんだろ!」
歩き出す。後ろから「ちょっと、やめなよ。」と引き止める声が聞こえたが反応はしない。品川は直ぐに見つかった。校庭の隅にある水飲み場そばにあるベンチに座ってる。
「おい。」
こちらの声に反応する。
「もう一度勝負しないか。」
「・・・マラソンで?」
「いや、今度は学力で勝負。」
品川は目を丸くする。内心イラッとしたが無理もない。
「本当にいいの?」
「おう。だから今回のは無効にしよう。今度の期末テストの順位で勝負だ。」
「分かった。」
品川はニコッと笑う。ハッキリ言って、今回のマラソンと同じくらい実力の差がハッキリしている。だけどやるしかない。期末テストは一月後半にあるからあと三ヶ月ある。今度は俺が亀かもしれない。しかし必ず勝つ。
その日は走って帰った。