ツイート 「あっ! ごめんなさい。突然暗いこと話して。気にしないでくださいね。そうだ、昼ビストロ亭で食べましょうか。わたしなんだかトキさんに会いたくなっちゃった」いっそう元気に明るく、良子ちゃんが言った。 「うん、そうしよう。それがいい。あっ、しまった。借りた傘持ってこればよかったかな」 「いい、いい。大丈夫、大丈夫。傘くらいいつだって」大きく良子ちゃんは顔の前で手をふった。 ほんの一瞬だけれど自分は彼女のなかに影を認めた。そんな自分の目に、眩しいほどに明るく愛おしい彼女の姿が映った。 9/9 前のページ 2月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9