すぐに、返事が返ってきた。
砂糖づけ受験生『シュガーリップスさんへ…………。うるせええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!ぼくは忙しんだよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!受験生なんだよおおおおおおおおおお!!!!!!!!お前なんかと話をするぐらいだったらなあ!!!!!!!!ぼくは勉強しながらウニを噛みしめていたい!!!!!!!!ウニを噛みしめていたいんだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!』
わたしは、びっくりしてしまった。
呆然としてしまった。
わたしはしばらくパソコンの前に不可解な気分で立ちつくしたあと、インターネットをとじて、パソコンの電源を切って、それからすこしだけ、泣いた。
翌日。
わたしは朝一番で里乃を問い詰めた。
「里乃、あんたでしょ。わかってんだからね。なによ砂糖づけ受験生って。どうしてあんなことするの? わたしをからかって楽しい? ねえ、なんでなの? こたえてよ!」
教室がしんと静まり返った。
里乃は笑った。腹を抱えて笑った。
ケラケラケラケラケラ。
ケラケラケラケラケラ。
わたしはスクールバッグから黄色いボクシンググローブを取りだした。さながら喫茶・ふわふわボンバーの黄金モンブランのように黄色い、ボクシンググローブだ。わたしはそれを両手にはめた。
里乃は笑いつづけている。
ケラケラケラケラケラ。
ケラケラケラケラケラ。
わたしはパンチを繰りだした。
怒りにまかせた怒涛の連打だ。
右フック!
左フック!
右ストレート!
左ストレート!
右アッパー!
左アッパー!
右ストレート!
左アッパー!
右ストレート!
左アッパー!
右フック!
左フック!
右ストレート!
左フック!
右アッパー!
左アッパー!
右アッパー!
左アッパー!
右ストレート!!!
「うへえええ」
といって里乃は床に転がった。
どうだまいったか、と思いながら見くだすと、なんとまだ口もとが笑ってやがる。
わたしは里乃の胴体のうえに馬乗りになって、最後の一撃をふりあげた。
そして振りおろす。
右ストレート!!!!!!!!!!