小説

『キリコの審判 凶はラッキー』山田密【「20」にまつわる物語】

『未明の東名高速道路を複数の車から鳴らされたクラクションが響き渡ったと云うことです。横浜に向かって走行中の深夜バスが、中央分離帯に一度接触、反動でそのまま反対側の防壁に接触しまし止まりました。乗客の証言によりますとバスの異変に気がついた他の車のドラーバーたちがクラクションを鳴らしたため、居眠りをしていた運転手が目を覚ましバスを停車させた模様です。殆どの乗客に怪我などは無かったと云うことですが、その際、落下物と思われる直径2センチ長さ1メートル程の鉄の棒が跳ね上がり、窓際に座っていた主婦の斉藤久子さんに窓を突き破り、運悪く直撃した模様で………鉄の棒を落とした人は自分の車から落ちたと分かるのではないでしょうか。結果重大な事態を引き起こしたことを………』

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