らには残念そうに呟く。 「朝になっちゃったね、エミちゃん。私たち、元に戻らなくちゃ」 「――そうだね」 半ば機械的に答えながら、エミはもう確信している。 瑕はここにある。この朝生まれたばかりの、取り返しの付かない瑕。 わたしたち、元になんて二度と戻れやしないんだ。 エミはらにを抱きしめる。どうか早く覚めてと、夢の終わりを今か今かと待ち焦がれながら。 9/9 前のページ 1月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9