みんなに相談しようと思いながら風呂から上がった。
いつものスウェットに着替えてダイニングに戻るとテーブルにはポテトサラダ、イカの塩辛、ラザニアが並べられていた。
どれも柳田の好物だ。
嬉しそうに柳田が座り、周りも柳田の反応に喜んでいる。
「どうしたんだ?」
二郎に尋ねる。
「作った。好きだろ?」
「ああ。でも・・・」
「心配すんなよ。材料は俺が買って来た。金は少しある。最後くらいちょっと豪華にさ」
「最後?」
二郎が言いにくそうに続ける。
「これだけ増えるとやっぱりさ、迷惑かかるだろ?だから」
柳田が口を挟む。
「俺も考えたんだよ。もっと田舎に引っ越してさ、みんなで」
二郎がそれを遮った。
「俺たちも考えたよ。でもさ、田舎の方が大変だよ。こんな大勢、しかも全員同じ顔。誰も受け入れてくれないよ」
「じゃあどうするんだよ?」
「今日で解散して、それぞれで生きていく。まあ何とかなるだろ」
「それは決まっているのか?みんなで決めたのか?」
柳田が全員の顔を見渡す。
じっと柳田を見ている柳田たち。
代表して二郎が頷いた。
「そうか。俺は強情だからな。だから俺の意見も通したいけど、この人数じゃ相手にならない」
苦笑する柳田。
二人の様子を黙って窺っていた全員も苦笑した。
「じゃあ最後の乾杯するか?」