そして、対決の場面。
小舟の男が投げたボールが、浜へと一直線に飛んでいき――
ここで、一回目とは違う展開が待っていた。
豪速球はあろうことか、鉢巻の男の脇腹に命中する。時速一六〇キロ以上なので、よける暇などない。鉢巻の男はバットを落とすと、体を曲げて悶絶している。
直後、両軍の間を激しい怒号が飛びかった。
この事態、声だけで収まるはずもなく、浜にいた男たちが小舟へと殴りかかっていく。
それに対して、沖にいた船団も小舟の方へと急接近してきた。
さぁ、乱闘の始まりだ。
これは、さっきの映像の別バージョン。
男たちが殴り合う様子をほんの少し流してから、ドーム球場の巨大スクリーンに、次の文字が現れる。
何が起こるか、わからない。
だから、「野球」は面白い。