ツイート 洞のような眼窩、たるんだ肌、力なく開いた口、その間からは何か赤黒い羽や獣の足のようなものが飛び出ていた。 そうして、その腹、そこに私はありありと見た。 張り出した腹に浮き出た模様。あれは間違いなく、あの日縁側で見た茶釜の蓋の模様そのものだった。 …そう、私が雷の際に見たもの。 あれは、人に憧れる故に、人の皮を被り、獣の肉により形を保つ、グロテスク極まりない器物の怪物そのものの姿であったのだ…。 6/6 前のページ 1月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6