小説

『柿の世界征服』相田想(『猿蟹合戦』)

 柿の木はそのまま意識を失い、腐っていった。
 柿が腐り果てるまで毒虫達は蠢いていたが、栄養源が無くなり腐っていき、土に還った。
 そしてこの土もいつかは何かを生成するのだろう。
 こうやって世界は回っている。悲しい事だけれど。 

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10