小説

『特異体質』小野塚一成(『ピノキオ』)

 
 間髪入れずに彼から返事が来た。OKの返事。ああ、嬉しいな。次に会える日が待ち遠しい。

 そして約束の日。彼と彼女はその日再び顔を合わせた。お互い並々ならぬ好意を持って。そしてお互いがお互いを離れたくないと思いながらも、ほんのわずかな葛藤を持って会話を交わした。もちろん、本当の素直な気持ちを包み隠さずに。男は女に「これからもこうして二人きりで会えたら嬉しいな」と。それを受けて女は男に「うん、私も。出来れば長い間一緒にいたいな」と告げた。

 女の鼻と共に、男の鼻もほんのわずかに高くなっていた。

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