『父のパジャマ』
平賀緑
認知症の母の介護に通っている「私」は、ある日、亡くなった父のパジャマを着て、母が寝ていることに気付き、やめるよう注意する。しかし、兄の一言で自分の視野の狭さを反省し、母の気持ちを察することで、介護に前向きになれる。
『つらさを毒舌漫才にかえて』
飯森美代子
母は76歳のときに脳梗塞に倒れた。当時、介護保険制度はまだなく、33歳の私は仕事を辞めて介護を始めた。介護生活は17年続き、6年前にみとった。介護を始めた頃、不平不満を母にぶつけても、取り合おうともしなかったが、認知症を発症してからは変わり、母娘の毒舌漫才のようなやりとりが始まる。