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『ツナガリタイ』室市雅則

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 駅から十分ほど歩いて、予約していたホテルに着いた。オレンジを基調にした綺麗なホテルであった。
 フロントのスタッフの笑顔で迎え入れられ、シングルルームへとチェックインを済ませた。
 特に男前でもない俺はせめて清潔にしておかねばならないと思いシャワーを浴びた。そして、ベッドサイドに腰をかけると、缶ビールでも開けて、ちょっと休憩したいなと思った。なんというか、ほっとしてしまったのだ。無論、『ツナガリタイ』度は保たれているけれど、景色が変わり、ある種の旅行気分を味わったせいかもしれない。同時にもう一つの疑念が浮かぶ。
 もしかして、ビビっている?
 人見知りではないけれど、決して社交的な性格ではない。それで、初対面の人と対話をし、その距離を縮められるのだろうか。大人しく、一人で串カツでも食べに出た方が気楽ではないだろうか。
ダメだ。
 それでは、また衝動が湧き出して、その頃には、とっくに会合は終わってしまっていて、にっちもさっちも行かなくなってしまう。
 初志貫徹。
 己を奮い立たせ、難波へと向かってホテルを出た。

 せっかく大阪に来たのだから、お好み焼きとか串カツあたりを食べたかったが、会場はホテル3階にあるチェーン系のアイリッシュパブであった。スタンディング形式だから、自由に移動ができ、あちらこちら、所狭しと互いの『ツナガリタイ』が活発に交流されるだろう。
 入り口に着くと受付があったので、名前を告げて中に入った。
 会費はカードで事前に支払っている。『ツナガリタイ』はカード決済が可能なのだった。

 驚いた。
 広い店内がぎゅうぎゅうになるくらいに人がいるのだ。
 しかも男女問わず若い。俺は上から数えた方が早いくらいの年齢かもしれない。さらに、乾杯前にも関わらず、すでに和気藹々という感じが満ち満ちなのだ。みんなニコニコしている。ピース。俺はこの輪に入っていけるだろうか。
『すみません』
 これがこの会場で俺が初めて発した言葉だ。前途多難な気がする。しかし、『すみません』を連呼し、人の間を身を縮めて通り抜け、ドリンクカウンターに辿り着き、ビールを受け取った。
主催者と思われる若い男性の挨拶が始まった。
 彼は人と人との繋がりの重要性、チャンス、奇跡を説いた。若いのに大した演説力で感心をした。そして、俺がまさに求めているものがここにあるような気がした。

 乾杯の掛け声とともに俺もジョッキを掲げた。すると、隣にいた女性がこちらにカシスウーロンらしきお酒が入ったグラスを掲げて来たので、杯を合わせた。
「こんばんは。私、エリです。初めましてやよね?」
 気さくな女性であった。肩にかかる髪が艶々で結構可愛い。もしかして、彼女と繋がることができるかもしれないと思うと胸が高鳴った。
「はい。大阪に来るのも初めなんです」

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