たったひとつのつながりが、こうして連綿と続いていくであろう、未来へのつながり、いのちとなる。
偉そうでもなく、大仰でもなく、ただ、素直に想う。
ごはんを食べるだけで、こんなにも多くの人の想い、いのちを受け取る。そこにあるのは、様々な世界との「つながり」。
この体験と気持ちを何かに繋げたい。
強い想いがこみ上げてくる。頭が勝手にいろんなことを想像し始める。今まで考えてもみなかったことが脳裏を巡る。ひたすらに何か出来ることはないかと考える。
「あたし、今まで事務職しかやったことないんです。自分で何かを企画して行動したこともなかったんです。
でも・・・この2日間の体験があたしにとっては衝撃的過ぎて、もう、今までの色んな事が吹っ飛んじゃったんです。
ショーコさんやミツコさんの気持ちや、発言があたしを動かしたんです。命を紡いでつなげていく手助けがしたいと思っています。
野菜でも、魚でも、何でもいいんですけど、それを作ってる人が直接、お客さんとやり取りをしてもらう場を作りたいなって思ってます。ファーマーズマーケットのような大規模や、高い金額のものが並ぶところではなく、その人が自慢したくなるものだけを、一品だけでもいいので持ち寄って、それぞれに話してもらう時間を設けたり、その利用法、調理法、活用法なんかをじっくりとレクチャーしてもらえる、ワークショップとファーマーズマーケットの中間のような空間とか。
どこにいてもそこが自分のふるさとのように感じられる。その地域の人たちの気持ちも雰囲気も丸ごと体験できるような場所を作りたい。
そのためにはまず、香苗さんの野菜とコラボしたショーコさんのお料理をやってもらいたいです。で、話すのをミツコさんにやってもらえたらきっと、幸せ過ぎる空間と体験ができると思うんです。あたし、本気でやりたいです!」
とびっきりの笑顔でショーコさんが振り向いた。