『SAMURAI』
義若ユウスケ
【「20」にまつわる物語】
ある日、授業中に夏目さんが泣きだした。それから、教室の窓が割れて、外からサムライが飛びこんできた。さあ、殺し合い! そして戦いに疲れ果てた僕は朝食によもぎ大福を二十個たべるのだった……
『赤穂浪士にお邪魔 二十人の愉快な仲間達』
洗い熊Q
【「20」にまつわる物語】(『赤穂浪士』『ぶんぶく茶釜』『笠地蔵』)
粉雪混じりの討ち入り日より。人数足らずの赤穂浪士面々の前に、大石内蔵助から言づてを預かってきた友人が現れたのです。
『悪いおじいさんのおばあさん』
高橋己詩
(『おむすびころりん』)
ある山のある穴におむすびを投げ込むことで、穴の中に住む鼠に招待され、大小二つのつづらを提示される。どちらか一つを持って帰るように、みたいな感じで。つづらには、どうやら各種金品が入っている。そんな儲け話しが、おばあさんの元に舞い込みます。
『ヤマネコの夜』
藤野
(『注文の多い料理店』)
南国の島でホテルのフロントで「ナイトツアー」を進められた。どんなツアーか確認せずに参加することにしたが参加した人たちはなんだか少し風変わりな人たちだった。どうやら「ヤマネコ」を探しに行くツアーのようだが、他の参加者の目的はただヤマネコを見るだけではないようだった。
『くじの糸』
青木敦宏
(『蜘蛛の糸』)
七福神の一柱「恵比寿」の部下である福の神「福之平」が、仕事のノルマ達成を命じられた。未達成額は一億円。福之平は、引き換え期限を迎えて紙くずになろうとしていた当たりくじを、一人の男へ渡すために、蜘蛛の糸を垂らした。男が無事に福を享受出来るよう、福之平は奔走する。
『Golden Egg』
室市雅則
(『金の斧』)
木こりに金と銀の斧を授けたという泉へと偶然にも辿り着いた男。その背中には亡くなってしまった愛妻を背負っていた。女神の存在を目の当たりにした男は妻の遺体を泉に沈める…
『ミス鼻子』
中村一子
(芥川龍之介『鼻』)
東京生まれ、東京育ちの浅河祥子は26歳。幼稚園の教諭をしている。大学を卒業するあたりから祥子の鼻はブタの鼻に似てきて、今ではそれと見間違うばかりとなって、園児たちから愛称を込めて「ブタちゃん」と呼ばれている。
『砂利道』
広瀬厚氏
(『トロッコ』)
仕事に疲れ、帰りの電車に揺られながら良平は、覚えているのが不思議なぐらい古い古い過去を、何故だか時々思い出す。幼い彼が家の玄関を出ると、そこには砂利道があった………
『不思議な時間の中の私』
春日あかね
(『不思議の国のアリス』)
昨年末、私に起きた不思議な出来事。ここでは、あまり言えないけれど、飛び出す絵本『不思議の国のアリス』の世界に入り込み、「おかしなお茶会」に参加する。そんな不思議な体験を通して、私が気づいたこととは……?