『鏡越しの邂逅』
なまゆば
ある日女の子は表札も出ていない美容室に出会う。そこは佐藤という女性の美容師さんがいる美容室だった。ここには様々な悩みを持つ人が訪れるが、いつも笑顔で店を後にする。しかし、お客さんはだんだん違和感を抱くようになる。自分を見守るこの美容師さんは一体誰なのだろうか。
『新たな一歩を』
ウダ・タマキ
ケアマネジャーとして働いている僕が出会ったユエさん。結婚して間もなく死別した夫を想い続けて、ユエさんはずっと一人で暮らしてきた。その話を僕の友人である美容師のアスカにすると・・・・・・
『心色トリートメント』
小山ラム子
成人式の当日、行きつけの美容室で髪をセットしてもらっていた美月は美容師の理恵さんとのやり取りから自身の中学二年生の頃を思い出すことになる。それは美月にとって最大の反抗期であった。
『すみ子美容室』
アイキACコージ
突然の事故で夫を亡くした妻すみ子は、幼い息子二人のために美容師になることを決意する。開業したすみ子美容室を一年で軌道に乗せられたのは地域の相談役になったから。様々なお客さんの悩みや愚痴を聞き、笑うことで解決する。辛い時こそ前向きに生きる、すみ子ならではの美容室が出来上がっていく。
『花』
吉岡幸一
美容院「花」の常連客の珠代さんは、ある日ロングの髪を切って坊主にしたいと私に言いだした。プロポーズされている(本心では好きな)彼に嫌われる為ということだった。私は珠代さんの髪をショートに切るが坊主にはしなかった。代わりにボールドキャップを被せて坊主に仕上げた。そして彼を呼んだ。
『前髪は瞳の少し上で』
三戸栄
2014年8月、広島を襲った集中豪雨。その被災地にボランティアとして駆けつける2人の同級生。一人は料理人であり、もう一人は美容師。そこに現れた被災者の女の子。ショックを受け、言葉も発しない女の子をカットする美容師。一〇年後、美容師とその女の子は再会をする。
『桜の春』
みな
雪のバレンタインデー。ヘアサロン『eclat』に小さなお客様、滝沢桜ちゃんが来店した。この後、好きな男子に告白するという。店長の高槻と古賀ちゃんは美容師の腕を振るい、大満足の桜ちゃんを見送った。最後のお客様が帰ったeclatのドアベルが再び鳴って、立っていたのは桜ちゃんだった。
『過去シャンプー』
京
遠回しな失恋に心を痛めていたオンナは、最寄駅のホームで深夜営業をしている美容室に目を奪われる。髪をバッサリ切るつもりで訪れるも、店員とおぼしき太っちょのおばさんからは「汚れを落とせ」という提案が。訳もわからずシャンプーが始まると、オンナは知らぬ間に時空を超えて過去に戻ったが…
『魔法の人』
ろ~~くん
可愛い自分であることに後ろめたさを抱いてきた拓也。コロナの影響で東京での自分探しの旅も難航し、親からは地元に帰るよう勧められ、日々憂鬱な気分で生きている。そんな拓也はある日、一人の美容師と出会う。自信という魔法をかけてくれる美容師と、本当は可愛くなりたい一人の男の物語。