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『目覚ましが鳴らなくて』米田竜馬

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「あー、それ凍らせた焼酎なんです。そのままホッピー1 本で割ってください。グラスに氷と焼酎が入ってる場合が多いと思うんですけど、ウチは焼酎もホッピーも薄めたくないんで氷は入れずに、焼酎を入れたグラスそのものを冷凍庫に入れてお出ししているんです」
「あ、、、そうなんですね。」

父の受け売りで、先輩に知ったような口をきいておきながら、そんな飲み方があるなんて知らなかった自分がちょっと恥ずかしい。
飲んでみると美味しい。いつもよりコクがあるというか、濃い感じ。飲み進めても薄まらない。
ホッピー1 本で“中”3 杯、父のペースはこの店では通用しない。父もこの店ホッピーを頼んだら、焼酎入ってないぞ!と言うだろう。このホッピーを飲んだら、どういう顔をするかな?
私のイタズラ心がちょっとだけ疼いたのを思い出した。


“ちょっとでも好きなことをちょっとずつでも続ける”
私のちょっと好きなことは、人をちょっとだけでも幸せに、笑顔にするイタズラで、ちょっとずつ続けてきたんだ。父のように。
いつか父にそんなイタズラをしてみたいなぁ、と思っていたので、このお店のことは覚えていた。

うまくいくと良いなぁ〜。

そう思った時に、目覚ましが鳴った。いつもの何てことのない朝が始まる。
でも急に決めたけど、今夜、初めて父にイタズラを仕掛ける。
うまくいくかな? 海からの帰り道からずっと言いそびれた、ありがとうって言えるかな?

今朝はちょっとだけ特別な朝になった。いつも、ありがとう。

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