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『自然な流れで、ホッピーで。』鷹村仁

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 アルバイト先のイタリアンに出勤したら店内が変わっていて思わず声が出てしまった。
「どうしたんですか?」
椅子に座って休憩しているマスターに問いかける。
「インパクトあるでしょ。うちでもホッピー始めようと思って。あと表に貼って完成。」
 店内を囲むように、ホッピーとカルパッチョが映った写真が等間隔で貼られている。しかも写真は大きく、写真はホッピーの形をしているように見える。
「これ、ホッピーの形ですか?」
「そう。」
 当たった。
「急にどうしたんですか?」
「好きなんだよね。ホッピー。イタリアンだからあんまりやろうとしなかったけどさ、我慢できなくなっちゃった。」
 苦笑気味にマスターは答える。
「でもやるなら定着させたいじゃない。だからさ、インパクト出していきたかったんだよね。」
「確かにインパクトありますね。」
「でしょ。」
 マスターは嬉しそうな顔をする。
「あの、写真に写ってるカルパッチョはなんですか?」
「ホウボウ。」
「ホウボウ?」
「そう、食べた事ない?」
「ないです。」
「普通はモツ煮とかのイメージがあると思うんだけど、鯛とかのカルパッチョも合うんだよね。だけどそこはあえてホウボウ。おいしいよ。」
 なるほど、と感心した。マスターの言った通りホッピーにはモツ煮とか、なんとなく下町感がある食べ物が合うイメージがあったが、イタリアンだとカルパッチョとかになるのか。
「歯ごたえもあるし味も濃厚だから、塩で食べてもいいし、レモンを絞って食べてもいいよね。」
 確かにおいしそうだ。
「今日あるから、食べる?ついでに捌き方も教えるよ。」
「え、いいんですか?」
「いいよ。そのかわり表に写真貼るの手伝ってね。」
「やった。じゃあ先に行ってますね。」
 そう言って着替えを後回しにして表に出た。

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