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『ホッピー会~出会いに必要なもの、それはホッピーである~』小林加苗

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「でた!美春の彼氏いる女の余裕コメント!年上金持ちと付き合っている女はやはり余裕があるね」
「ちょっと、和那絡むのやめな」
 美春はくいっとグラスを傾けると、半分以上残っていたワインを一気に飲み干した。
「……あぁ、彼ね。昨日別れたわ。あいつ結婚してやがった。おまけにもう高校生になる子供も2人いたのよ。あの腐れ外道。まじで死ねばいいのに」
 薄い唇を片方だけ持ち上げ、笑う。しかし目は全く笑っておらず、青白い怒りの炎が燃えたぎっていた。
「えぇぇぇ……まじで!?」
 和那と萌花は素っ頓狂な声を出してしまい、慌ててお互いに口を押さえる。
「ちょっと!もっと早く話しなさいよ!その話詳しく聞かせて」

 美春の話がひと段落つくころには、4本目のワインが空いていた。さすがに飲みすぎて身体中がワインで一杯なので、〆の生ビールに切り替える。
「はい!わたくし和那、提案があります!」
「はい、どうぞ」
「もうすぐ夏も来ることですし、そろそろ本気で婚活をしようではありませんか!」
 萌花と美春は小さくパチパチと拍手をする。
「わたくしたちの共通点は大の酒好きであるということ。そして自然な出会いを求めているということ。従って出会いの場は飲み屋であるのがベストだと考えます」
「まぁ確かにお酒飲めない男とは付き合えないもんね」
「そうです。その通りなのです!お酒が飲めて、仕事ができて、女との出会いにがっついていないハイスペックな男たちが集う場所。そこで飲んでいればきっと素晴らしい出会いがあるのです!しかしそのお店はこのような場所では決してない!」
「まぁそうだね」
 萌花は先ほどのカウンター二人組にちらりと目をやる。ナンパが成功したのだろう。オフショルダーで肩をがっつりだした若い女子2人組みと一緒に飲んでいる。テーブルの上には時間がたって薄まってしまったカシスオレンジらしき液体。いやらしく女の腰に添えられた手。すべてが気持ち悪く小さく身震いをする。
「そこで考えました。アナリスト歴12年小林和那。だてに毎日分析をしているわけではありません。わたしたちの婚活キーワード、それは『ホッピー』です!」
「ホッピー??なんでまた」
 萌花が素っ頓狂な声をあげる。

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