ブックショートでは毎月2つのテーマをもとに、これまでの優秀作品のなかから短編小説を特集していきます。
この季節にちなんで2月の特集①は「Snow Story」がテーマ。
雪の出てくるさまざまな作品の二次創作です。
真っ白い小さな芯が転がって柔らかな雪を次々と纏い、大きな固まりになる。それが雪まろげ。二人の侍はまるでじゃれあう仔犬のように白銀の世界を駆け回った。その足跡は、空が明るくなる頃には縦横無尽な広がりを見せていた。
毎年冬が深まると、おじいは決まって髪の長い美しい女の氷像を彫る。19歳になった“僕”は初めて、それが誰なのかを尋ねた。おじいは振り返りもせず、若い頃、吹雪の晩に雪女に出会ったと語った。すると壁が大きな音を立てた。
雪国で病に伏せる弥作を看病してくれたのは、透き通るような肌の美しい女だった。口のきけない彼女は、筆で“雪”と名乗る。共に暮らすことになった二人。ある日、雪は5年前に亡くなった弥作の父親の死の真相を告白する。
青年は帰宅途中、罠にかかった鶴を見つけ、助けた。そして家路を急ぐ。すると、また鶴が。再び助けてあげる青年。しばらく歩く。さらに鶴が…青年は罠を解く。吹雪となったその夜、彼の家を訪ねてきたのは…
雪の降り積もった冬の山に、クマの足跡が見つかった。そんな中で子供が山へ入ったきり、帰ってこないという報せ。猟師たちに招集がかかり、捜索が始まった。町の猟師の一員である「俺」も、『おキツネ山』と呼ばれるその山へ向かった。万一に備え、銃を携えて。
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