応募要項 応募規定 ――あのバカ、余計なことを書くから……。 心の中で美晴を罵(ののし)る。 「何でもない。美晴と俺との秘密だ」 私はわざと不機嫌そうな声を出して、そそくさとその場を立ち去ろうとした。その背中に妻が、 「美晴はめっきり女らしくなりましたからね。来年あたりはデートで忙しいからって、来ないかも知れませんね」 と、鋭いつぶてを打つ。その途端、私の心の温度は氷点下まで急降下した。 8/8 前のページ 9月期優秀作品一覧 HOME