メニュー

  • トップ
  • 受賞一覧
  • 映画化一覧
  • 作家インタビュー
  • 公募中プロジェクト
  • 創作プロジェクト
  • お問い合わせ
               国際短編映画祭につながる「ショートフィルムの原案」公募・創作プロジェクト 奇想天外短編映画 BOOK SHORTS

\ フォローしよう! /

  • トップ
  • 受賞一覧
  • 映画化一覧
  • 作家インタビュー
  • 公募中プロジェクト
  • 創作プロジェクト
  • お問い合わせ

『息子の彼女』スマイル・エンジェル


  • 応募要項
  • 応募規定


「そうだな。お父さんも、ビックリしたよ。航にあんな可愛い彼女ができたなんてな」
「そうね―。でも、今日、二人を見てて、お母さんは、なるほどなって、思ったな」
「全然わかんないし~」と優香が、不満そうに言う。
「まだ、わかんなくてもいいよ」と私は、優香に微笑む。
 洗い物や部屋の片づけを終えて、私は、一人ベランダの椅子に座り、缶ビールを飲んでいる。
 夜空には、8分くらいの丸いお月様がぼんやりとした光を放っている。
 お風呂から上がった、富雄さんは、パジャマ姿で、首にかけたタオルで汗を拭きながら、缶ビールを持って来て、「お疲れ様」と私に向ける。
「富雄さんも、張り切りすぎて、疲れたでしょう」
「ああ、疲れた。けど、心地いい疲れだ。いい子だな。美玲さん」
「そうね。見た目のきれいさもだけど、素直で心もきれいな子ね」
「ああ、そうだな」
 富雄さんと夜空を仰ぎながら、ビールを飲んでいると、
 美玲を送った航が、ベランダに顔を出し、「今日は、ありがとう。彼女とても喜んでいたよ」
 私は「そう。良かったね」と笑顔で応える。
 行こうとした航に、富雄さんが「おい、航。お母さんに今日“も”ありがとう。だろ」
 航は、少し照れながら「はい。今日も、ありがとうございます」
 私も少し照れて「はい。どう致しまして」
「風呂、入るね」と航が行く。
 私と富雄さんは、また、黙って夜空を見上げながら、缶ビールを飲む。
 私は、この家族でいられる幸せをほろ酔い気分で満喫している。
 航の薄暗い部屋の勉強机の上に置かれた新品の1080mlのモンダミンにハートの形のメモで【母の気持ち】と書いてありリボンがつけられている。

8/8
前のページ

9月期優秀作品一覧
HOME


■主催 ショートショート実行委員会
■協賛 アース製薬株式会社
■企画・運営 株式会社パシフィックボイス
■問合先 メールアドレス info@bookshorts.jp
※お電話でのお問い合わせは受け付けておりません。

1 2 3 4 5 6 7 8
Copyright © Pacific Voice Inc. All Rights Reserved.
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー