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『ひとつ屋根の下だからこそ』広瀬厚氏


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 夜は少し肌寒いほどだった。台風が近づいていると言うのに奇跡的に一日中晴れた。明日はさすがに天気が崩れるかもしれない。家族皆心地よく眠りについた。
「おいみんな、今日も晴れてるよ」
 一番に起きた祐二がカーテンを開けると、多少雲はあるものの日差しがあった。ほんとだ、と続けて起きた由美が、少し驚きの表情を見せた。皆起きては朝雨が降っていないのを喜んだ。
 チェックアウトを済ませ次の目的地に向かった。山の中にある観光地で、ここ数年海外からも人気で大勢観光に訪れる。そこで昼にご当地ラーメンを食べて帰る予定だ。
 思った以上に多く見る海外からの観光客に家族は少々驚いた。昔一緒に来たときはこんなんじゃなかったよな、と祐二は妻に話した。白人の男女が人力車に乗って通りを横切った。
 何軒もあるラーメン屋のなかから、ネットで調べて、スープが一番あっさりした感じの店の暖簾をくぐった。正解であった。美味しかった。おなかが余り減ってないと言って、量の少ない子供ラーメンをたのんだ仁は、美味しさも手伝って結局物足りず、祖母から麺を分けてもらい腹を満たした。
 帰り駐車場から車を出した途端雨がぽつりぽつりと降り始めた。途中雨は次第に激しくなり風も強く吹き出した。
 旅行中は奇跡的に家族喧嘩をしなかった。と思ったら、後部座席で仁と由希奈が口喧嘩を始めた。家に帰ったらまた、家族激しく喧嘩をすることもあるだろう。だけど、きっとまたまた仲直りするに違いない、きっと。ひとつ屋根の下だからこそ…

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