「・・・女の人は怖いですから。」 「だよね・・・あのさ、一杯付き合ってくれない?」 私の誘いに吉木君は「ありがとうございます。」と答え、自分用にワインを注いだ。 「健闘を祈ります。」 「うん。」 グラスを合わせる。チラッと奥のカップルに目をやる。幸せそうに寄り添っている。どうあがいても私はあんな風になる事はないだろう。 「安珍と清姫ね。」 思わず口から漏れてしまった。 5/5 前のページ 10月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5