彼らは一瞬たじろぎ、一斉に上官の指示を待っていたが、上官らしき人物は、額に汗をかきながら私の様子を伺っている。
そんな様子に心の中でひととおり笑った私は、ベッドに横たわり、ゆっくりと目を瞑った。
「おきなさい!」
今度はいつもとかわらないけたたましい家族の号令が、ヘリコプターのスピーカーから響き渡ったのを合図に、私は檸檬の引き金を引いた。
ボンッ
大きな音とともに爆風が猛烈な熱さで私の部屋をそして家の中を、そしてまた町中を、最後は世界中を地球を銀河をのみ込んだ。
もう朝なんて二度とこなくてよくなったんだ。
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