ツイート そのような意味の言葉が飛び交っていた。 鬼婆は室内に戻った。 そして、隠していた出刃包丁をぼろ切れに包み、懐にしまった。 外に出る。 相変わらず、バッタ人間たちは悦に浸っている。 鬼婆の指先が懐の出刃包丁に触れた。 「これじゃ、どうしようもねえな…」 鬼婆は大きな溜息をついた。 「まだ始めがらやんねば…」 そっと鬼婆は立ち去った。 気が遠くなるほど、久しぶりの旅立ちだった。 鬼婆に安住の地はあるのだろうか。 誰も知らない。 7/7 前のページ 9月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7