小説

『青い鳥』多田正太郎(『青い鳥』)

言い切っていいの?
うっ、分からんがさ。

昔々、あるところに。
貧しい兄妹がいました。
お兄さんの名前はチルチル。
妹の名前はミチルと言いました。
クリスマスの前の夜のことです。
二人の部屋に。
魔法使いのおばあさんが。
やってきて言いました・・。
幻想?
いや、現実かもね。
ヒヒヒヒヒ! と。

ヒヒヒヒヒ! かぁ、ここでさ。
もう一度、もう一度聞くよ。
青い鳥って、いるの? 
いる。
えー、いるんだー。
ああ、いるのさ。
古き良き時代?
そのころの、お話しだよね。
だけと、だけどさ、このお話はさ。
生きてるよ、今もさ。
ほら、症候群とか、色々なシーンでもさ。
もう一つ聞きたいんだけど。
随分、聞きたいことあるんだねー。
もう一つ、もう一つとか、言いながら。
まぁ、でもいいよ。
さっき登場の、現実さん、幻想さん、さー。
あの兄妹の、生まれ変わり?
あの、兄妹って。
チルチルとミチルの兄妹の、ことかい?
そう、二人とも、男の感じしたけどさ。
ほら、君と俺とか・・。
でもさ、生まれ変わりならさ。
男にだって、ありだよね。
ミチルがさー。
まぁ、そんなことは、どうでもいく、て。
言いたいことは、現実と幻想。
この境目で・・。
いや、そもそも、そんな境目ってあるの?
いやいや、兎に角さ。
青い鳥。
この物語に、出演した、チルチルとミチル。

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