小説

『青い鳥』多田正太郎(『青い鳥』)

祈り。
祈りー?
そう、祈り。
また随分難しそうだね。
そうだね。
で、祈りが?
これさー、誰が、何に、何を、だよね。
確かに、誰が、何に、何を、だね、祈りはさ。
これが成り立つのかって?
ほー、成り立つのか?
そう。
どうしてさ?
何を、ここさ。
何を?
そう、何を、祈り・・、この何を、さ。
そうかー、君が感じていること、分かったよ。
だって、そうだろ、祈りはさー。
現実って思っている、そこからの、何を?
この何を、これを祈り、だよね?
この何を、これの揺らぎ、ありかい!
日常。
目にしている、事柄、事物事象
これが現実だって、疑う事もなく。
その中からの、何を、だろ!
それが揺らいだら、祈りは・・。
成り立つのさ!
おやおや、キッパリと。
ああ、キッパリさ! 成り立つ! のさ。
分からん。
なんでさー、簡単な事だろ。
簡単なことなのかい?
ああ。
現実が、どうとか、こうとか、そりゃーね。
無限に多様なはずの現実、それだもの。
おやおや、なんだかこのあたりになるとさ。
はははは、そう君の出番かもね、幻想君。
まぁ俺のことは、ここではいいよ。
君の、キッパリの、コメント! コメント!
そうかい、分かった。
揺るぎないことはさ、祈り。

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