小説

『青い鳥』多田正太郎(『青い鳥』)

だって、そうでないと、ほら。
ほら?
♪どこでも、いつでも。
精一杯、精一杯に。
生きるのよ。
兎の。
あっ、インドの神話!
当たり!
それがどうかしたかい、この場合にさ?
気付かないかい?
何を?
命と引き換えに、捧げる事態だよ。
益々、分からないよ。
現実って思って、目にしている、ことをさ。
疑う事もなく、さ。
そうでないと、ほら! なのさ。
分かったぞ! 君の言いたいこと。
そうかぁ、良かった。
たしかになぁ。
命と引き換えに、捧げる事態。
この事態が、現実って思っている。
それでなかったら、無駄死に!
そうかー。
死、と言えばさ。
死と言えば?
これもね。
これも?
現実の事象、なのかってねー、死ってさ。
人は、誰も、いつか、一人で、旅立つ。
沢山の、思いを、携えて。
これさ、どこかで耳にしたことあるかなぁ?
うーん、どうだろねぇ?
死という事象の曖昧さ、だから旅立つなのさ。
人によってはね、そんな風にね。
だからほら。
え、だからほら?
♪わたしのお墓に佇み泣かないでください。
わたしはそこにはいません・・・。
わたしは死ななかったのです。
こんな詩が、歌にさ。
死を、こんな風にとらえる人もね。
そして、もう一つ。
もう一つ?

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