はい。大変お似合いでございます。
ほんまに?
はい。
ほんなら、なんでこっち見いひんの?目見て言ってや。
畏れ多くございます。
なんでやねん。いっつも見てるやん。なあ。
大臣はゆっくりと顔を上げ、王様と目を合わせて微笑みました。
大変お似合いでございます。
そう言うとすぐに再び下を向きました。
ありがとう。最初にな、機織り職人の作業を確認してくれたの覚えてる?
はい。
そん時、ええ感じやって報告してくれたやん?
はい。
大臣の背中を汗の玉がつたったので背筋がヒュンと伸びました。
その時と比べてどう?
どうと申しますと。
王様は両手を広げました。
お腹が牛乳プリンのように揺れました。
デザインとか柄とかどんな具合なのかなって。
大臣はゆっくりと返事をしました。
大変結構なものでございます。
王様は自分の裸体を隠すように胸の前で腕を組みました。
ちょっと、一つええかな?
大臣は油の切れたロボットみたいに膝を折ろうとしました。
ちょ待ち、膝悪いんやから、そんなことせんでええ。
申し訳ございません。
大臣は頭を下げました。