小説

『生まれたままの姿』多田正太郎(『北風と太陽』『オンドリと風』『風の又三郎』)

こんな結末、いかがでしょう?
ショートフィルムで。
描けないでしょうか、編集長?
名刺代わりに・・。

うーん、名刺代わりになぁ。

ええ。

うーん・・・。
だけど、何の、名刺代わり?

♪どっどど どどうど どどうど どどう、どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいくゎりんもふきとばせ

どこからともなく、あの歌が。
いや、正確には、小説の冒頭の一節か。

♪わたしのお墓に佇み泣かないでください。
わたしはそこにはいません・・・。
わたしはふきわたる千の風。
わたしは死ななかったのです。

そして、あの歌も。
まぁ、この歌、もとの詩さ。
先住民のかなー、なんて感じも・・。
生まれたままの姿なぁ、人間界の、さ。
まだまだ、だよなぁ、そんな感じかなぁ。
まぁ、永遠ってーあるなら、永遠にかもなぁ。
でも、ほんの名刺くらいなら、いいのかも。
お? この呟き、誰?

そうかぁ、それで、名刺代わりなぁ。

ええ。

よし! やってみるか。
ショートフィルムで。

はい!

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