ツイート 誰かが私の名を呼んだ。 はっと気付くと、私は洋館の応接間で館の主と向き合ったままだった。 「改めて伺いますが――」 主が言った。 「あなたにとって、一番大切な〈何か〉とは、なんだったのですか?」 私は、主の問いに答えず、もう一度後ろを振り返った。 黒々とした影が静かに私を見下ろしていた――。 4/4 前のページ 12月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4