ツイート 暗がりの丘を駆け下りる少年が街に消えるのを見届けてから、ゴッドマザーは、やれやれとため息をつき、座り込んだ。そこには、少年が落としたバラの花束があった。拾い上げる。 「……届けなければいけないだろうねぇ」 城の王子とは異なリ、ゴッドマザーはその相手を、既に知っていた。 魔法でバラを天国に送ることは出来るだろうか。 墓前に供えた方が良いだろうか。 いずれにせよ、愛の花は、きっと、少女に映えるに違いなかった。 5/5 前のページ 10月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5